ロンドンへ行くなら、本場ウェストエンドでミュージカルを観てみたい。
そう思って選んだ作品は、『レ・ミゼラブル』でした。
というより、私にとっては「選んだ」というより、最初から『レ・ミゼラブル』しかありませんでした。
実は私は『レ・ミゼラブル』が大好きで、日本でもこれまでに10公演ほど観ています。同じ作品でも、出演者やその日の歌声、舞台全体の空気によって心に響くところが少しずつ違う。何度観ても、また観たくなる特別な作品です。
だからこそ、世界一周でロンドンを訪れるなら、本場ウェストエンドの『レ・ミゼラブル』をどうしても観てみたかったのです。
ただ、海外の劇場へ一人で行くとなると、最初は少し不安です。
「日本からでもチケットを買えるの?」
「英語の予約サイトで、間違えずに座席を選べる?」
「当日はどうやって入場するの?」
ところが、実際にやってみると、チケットの予約は意外なほど簡単。日本にいる間に公式サイトで購入し、当日はメールで届いたQRコードをかざすだけでした。
そして、ロンドンの劇場で気づいたのが、日本とはずいぶん違う座席料金の決まり方や、休憩時間の過ごし方です。
今回は、60代ひとり旅の私がロンドンで『レ・ミゼラブル』を観劇した体験をもとに、チケットの取り方、劇場の雰囲気、日本での観劇との違いをお伝えします。

ロンドンの『レ・ミゼラブル』はソンドハイム劇場で上演
ロンドン版『レ・ミゼラブル』が上演されているのは、ウェストエンドの「Sondheim Theatre(ソンドハイム劇場)」です。
場所はシャフツベリー・アベニュー。最寄りの地下鉄駅はピカデリー・サーカス駅で、チャリング・クロス駅からも歩けます。
現在の劇場は1907年に開場した歴史ある建物で、最大収容人数は994人。外観にも内部にも、長い年月を重ねてきたロンドンの劇場らしい趣があります。

意外と簡単だった、日本からのチケット予約
チケットは、日本を出発する前にインターネットで予約しました。
私が検索した言葉は、
「レ・ミゼラブル ロンドン チケット 公式」
検索結果に出てきた「Delfont Mackintosh Theatres(デルフォント・マッキントッシュ・シアターズ)」のサイトから購入しました。
「海外のサイトだから難しいかも」と身構えていましたが、画面はとても分かりやすく、迷うことなくスムーズに予約を完了できました。
予約の流れ
私が行った手順は、おおまかに次のとおりです。
- 公式サイトで『Les Misérables』を選ぶ
- 観劇したい日付と開演時間を選ぶ
- 座席表を見ながら席を選ぶ
- 氏名やメールアドレスなどを入力する
- クレジットカードで決済する
- 確認メールと電子チケットを受け取る
公式案内によると、電子チケットは予約完了後すぐ、確認メールにPDFで添付されます。私のチケットには入場用のQRコードが表示されていました。
当日は、そのQRコードをスマートフォンに表示し、入口でかざすだけ。紙のチケットを日本へ郵送してもらったり、ロンドン到着後に窓口へ受け取りに行ったりする必要はありません。
完全なチケットレスなので、海外公演でも日本にいるうちに安心して準備できました。

View TicketsをクリックするとQRコードが出る。
予約は公式サイトからがおすすめ
同じ公演のチケットが複数の販売サイトに出ていることもありますが、私は劇場運営会社の公式サイトから購入しました。
チケット代金が安価なサイトもあると思いますが、私は安心料として少々高くても公式のサイトを選びました。
公式サイトなら、公演日時、座席位置、注意事項を同じ画面で確認できます。公式案内では、直接購入したチケットは公演48時間前まで交換を相談できる制度も案内されています。
ただし、条件や手数料は変更される可能性があるため、予約時に最新の規約をご確認ください。
→ Delfont Mackintosh Theatres『レ・ミゼラブル』公式予約ページ

日本と大きく違った、ロンドンの座席料金
予約画面を見て、まず驚いたのが料金設定の細かさです。
私が日本でミュージカルを予約するときは、平日・休日の違いはあっても、「SS席・S席・A席・B席・C席」のように、客席をいくつかの大きなエリアに分けて料金が設定されていることが多い印象でした。
一方、ロンドンでは、同じフロア内でも列や座席位置によって価格が細かく異なります。
ソンドハイム劇場の客席は、主に次の3つに分かれています。
- Stalls(ストールズ):地上階の1階席
- Dress Circle(ドレス・サークル):その上の階にある客席
- Grand Circle(グランド・サークル):さらに上にある、傾斜が急な客席
劇場によっては「Upper Circle」や「Balcony」と呼ばれる上層階があるなど、呼び方や構成はそれぞれ異なります。
さらに、舞台からの距離、中央か端か、前方か後方か、見切れの有無などによって、一席ずつと言ってよいほど細かく価格が変わります。公演日、曜日、シーズン、人気度、購入時期、購入ルートなどによっても料金は変動します。
予約画面では、座席表に空席と価格が色分けして表示されます。候補の席を選ぶと料金を確認できるので、舞台からの距離と予算を見比べながら、自分で納得できる席を探せました。
【ご参考までに】
下記の図は公式サイトの予約画面です。
これだけの色ごとに料金が異なります。
日本の料金設定とは随分違いますよね。
座席表は価格や空席状況が変わるため、必ず公式予約ページで最新情報を確認ください。

(ご参考まで)
よい席を選ぶと、日本公演の同等席と比べて倍近い金額になることもあります。その一方で、見え方や場所にこだわりすぎなければ、比較的手頃な席を自分で探せるのもロンドン式の面白さです。
公式サイトでは、2026年8月現在、通常チケットは25ポンドからと案内されています。ただし、実際の価格と空席は公演ごとに異なり、一部の席は見え方が制限される場合もあります。
私が購入した席と実際の料金
私が観劇したのは2026年2月。チケットを購入したのは、観劇日の約3週間前でした。
選んだのは、Stalls(1階席)のF列10番。前から6列目という、舞台にかなり近い席です。
料金は155英国ポンド。クレジットカードから実際に引き落とされた金額は、34,424円でした。
(日本で同じランクの席のほぼ2倍の金額です)
実際の請求額から計算すると、1ポンド=約222.09円です(カード会社の換算や海外利用に伴う費用を含む実質的なレート・2026年2月時点)。
決して安い金額ではありません。日本公演のよい席と比べても「やっぱり本場ロンドンは高い!」と思う価格でした。
それでも、日本で10公演ほど観るほど大好きな『レ・ミゼラブル』です。本場ウェストエンドで、しかも前から6列目で観られる機会は、そう何度もありません。旅の大切な体験にお金を使おうと、この席を選びました。

※上記は私が購入したときの実例です。チケット料金、空席、為替レートは公演日や購入時期などによって変わります。
日本の大劇場とは違う、濃密な空気をまとった劇場
ソンドハイム劇場へ入って感じたのは、私が日本で観劇した大きな劇場と比べると、客席全体がこぢんまりとしていることでした。
日本では、作品ごとに大きな劇場で一定期間上演される公演も多く、広いロビーやゆったりした客席に「特別な一日を過ごす場所」という華やかさがあります。
一方、ウェストエンドでは多くの作品が曜日ごとに公演を重ね、『レ・ミゼラブル』も同じ劇場で長期間上演されています。
ソンドハイム劇場は約1,000席。日本の大劇場と比べればコンパクトですが、決して物足りないわけではありません。
むしろ、客席と舞台の距離が近く、装飾を施した壁やバルコニーに囲まれた空間には、長い年月にわたって観客の期待と拍手を受け止めてきたような、濃密な空気がありました。
きらびやかすぎず、それでいて重厚。劇場そのものに物語が染み込んでいて、席に着いた瞬間から『レ・ミゼラブル』の世界へ連れていかれるようでした。
客席から見上げると、金色の縁取りと繊細な彫刻を施したバルコニーが、舞台を包み込むように幾重にも重なっています。その上には、淡い水色に照らされた円形の天井画と、きらめくシャンデリア。

華麗なのに、どこか落ち着く。歴史ある劇場の品格と、舞台を身近に感じられる親密さが同居していました。
そして、古典的で優美な客席のすぐ隣には、『レ・ミゼラブル』の荒々しい舞台装置がそびえています。宮殿のように美しい劇場と、物語の厳しい世界を表す舞台。その鮮やかな対比を眺めているだけで、開演前から胸が高鳴りました。
「こぢんまりしている」のに、「舞台の熱が近い」。それが、私がロンドンの劇場に感じた魅力です。

舞台を包み込むように広がるソンドハイム劇場の客席が素敵でした。
休憩時間の過ごし方も、日本とは違った
『レ・ミゼラブル』の上演時間は、15分間の休憩を含めて約2時間50分です。
私が日本で観劇したときは、休憩時間(30分程)に劇場内のレストランを利用したり、販売されているお弁当を楽しんだりと、観劇と食事をひとつの行事として味わう楽しみがありました。
ところが、ソンドハイム劇場で見かけたのは、飲み物や軽食を販売する小さな売店やバーが中心。公式案内でも、劇場内のバーではドリンクとスナックを販売していますが、温かい食事は扱っていないとされています。
夜公演の開演は通常19時30分。夕食を済ませてから来る人が多いのでしょうか。それとも終演後に食事やお酒を楽しみ、ロンドンの大人の夜を満喫するのでしょうか。
休憩時間にしっかり食事も楽しむ日本の観劇。ドリンクを片手に短い休憩を過ごし、舞台の余韻をつないでいくロンドンの観劇。
どちらがよいということではなく、それぞれに違った楽しさがあると感じました。

60代ひとりでも、本場の『レ・ミゼラブル』を満喫
海外で、しかも一人で夜のミュージカルを観る。
出発前は少しハードルが高いように感じていましたが、実際にはチケット予約も入場もとても簡単でした。
劇場へ入れば、あとは物語と音楽に身を委ねるだけです。周りに知り合いがいなくても、客席が暗くなれば一人であることなど気になりません。
もちろん、上演は英語です。でも、私は日本で10公演ほど観ているので、物語の流れも、それぞれの場面で登場人物が何を思っているのかも、しっかり頭に入っていました。
そのため、英語のせりふや歌詞をすべて聞き取れなくても、まったく置いていかれることはありませんでした。知っている旋律が流れれば、次の場面も、その人物の気持ちも自然によみがえってきます。
むしろ、言葉を追いかけることに必死にならず、本場の俳優たちの歌声、表情、舞台の熱量を存分に味わうことができました。
それと同時に日本の俳優さんたちもロンドンに負けず劣らずものすごいレベルなんだな〜と改めて思い、日本でもまた観たくなりました。
英語が分からなくても、知っている物語と音楽がしっかり助けてくれました。そして、生の歌声と舞台の迫力は、言葉の壁を越えて伝わってきます。
「60代の一人旅だから、海外の夜公演は難しいかも」と諦めなくて本当によかった。
本場ロンドンで観た『レ・ミゼラブル』は、観光名所を巡るだけでは得られない、特別な旅の思い出になりました。

当日に気をつけたいこと
時間に余裕をもって到着する
劇場では入場時にセキュリティーチェックがあります。遅刻すると、適切な区切りまで入場できない、または入場を保証されない場合があります。初めて行く劇場なら、早めの到着が安心です。
QRコードはすぐに表示できるようにする
通信状態に左右されないよう、電子チケットのPDFをあらかじめiPhoneへ保存しておくか、QRコード部分をスクリーンショットで用意しておくと安心です。
ただし、SNSやブログへスクリーンショットを掲載するときは、QRコードや個人情報を必ず隠しましょう。
大きな荷物は持って行かない
公式案内では、座席の下へ収まる小さなバッグ1つで来場するよう案内されています。クロークで預けられるのもコートと小さなバッグで、大型バッグやスーツケースは受け付けてもらえません。
上演中は撮影・録音禁止
開演前の劇場内は撮影できますが、上演中の写真・動画撮影、録音は禁止されています。写真を撮りたい時は、外観、ロビー、開演前の客席、終演後などに撮るようにしましょう。
上層階は階段と急な傾斜に注意
公式案内によると、ロビーからStallsへは21段、後方のDress Circleへは18段、Grand Circleへは39段の階段があり、Grand Circleは傾斜も急です。
階段や足元に不安がある場合は、価格だけで決めず、座席までの経路やアクセシビリティ情報も確認することをおすすめします。

まとめ|海外ひとり観劇は、思っていたよりずっと簡単だった
ロンドンで『レ・ミゼラブル』を観る——。
日本にいたときは少し大きな挑戦のように思えましたが、公式サイトの予約画面は分かりやすく、決済後に届いた電子チケットのQRコードを当日かざすだけ。チケットの準備で困ることはありませんでした。
座席ごとに細かく変わる料金設定、約1,000席の歴史ある劇場、ドリンクを中心に過ごす短い休憩時間。日本とは違う点もたくさんありましたが、その違いを体験することも旅の楽しみです。
日本の劇場には、広い空間で食事も含めて一日を楽しむよさがある。
ロンドンの劇場には、長い歴史をまとった親密な空間で、舞台の熱を近くに感じるよさがある。
どちらも、それぞれに素敵でした。
そして何より、60代の一人旅でも、本場ウェストエンドのミュージカルを心から楽しめたこと。それが今回の大きな自信になりました。
どうしても「ハードル高いな〜」と思われる方、日本で観劇したことがあるミュージカルでしたら充分楽しめますので、ぜひチャレンジしてみたください。
それでは、また( ◠‿◠ )
参考にした公式情報
- Les Misérables London 公式サイト「Ticket Information」
- Les Misérables London 公式サイト「FAQs」
- Delfont Mackintosh Theatres「Les Misérables」
- Delfont Mackintosh Theatres「Sondheim Theatre」
※公演日程、料金、出演者、入場方法などは変更されることがあります。予約前・観劇前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

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